キャシー・松井氏がウーマノミクスをテーマとしたきっかけ、調査をはじめた約20年前にさかのぼります。松井氏が証券業界に入った1990年1月、日経平均の水準はピークとなり、その後、暴落。厳しい状況に直面した日本の成長性を、海外、国内の投資家に向けてどう示すのか。松井氏は「潜在成長率をドライブする材料は3つしかない。それが、人材、資本、生産性」と語り、時間がかかる人材と資本より、まずは生産性に着目したといいます。
そして、自らが出産後に復職した際、周囲では復職する母親が少なかったという経験から、課題の糸口を見つけていきました。まず、日本の女性の就業率が男性並みの80%になった場合、GDPを約13%押し上げる効果があると分析。しかし投資家らのさまざまな反論に直面します。女性活躍やダイバーシティ、ESG(環境、社会、企業統治)という指標が企業のパフォーマンスに本当に結びつくのか、さらには、出生率がさらに下がるのではという疑問。